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僕は貴方が好きだけど


「悪いが俺は、君を・・・・・・好き、じゃない」

 一世一代の告白をした僕に向かって、美しい人はそう言い放った。くるりと背を向けて去ってしまう白い背中にかける言葉なんてなくて、黙って立ち尽くす僕は刀より案山子の付喪神だったに違いない。


「なんでかなぁ~!!??」
「くるしいみつただ」


 今日も倶利伽羅の部屋で管を巻く。右手に盃、左手に倶利伽羅、最近の僕の夜のスタイルだ。
 くい、と右手の盃を煽り熱い液体が喉を通る。口の端から黒く蠢く胃に落ちることを拒否した酒が零れたが拭うこともしなかった。確かに酒だって楽しく美味しく飲まれたいだろうさ。わざわざ舐めとってやる必要もない。
 だって、待って、行かないでなんて格好悪すぎる。
 僕の意図に気づいた倶利伽羅が首を伸ばして僕の代わりに口の端を舐めとってくれた。


「ありがとう~くりちゃ~ん。くりちゃんはかわいいね~」
「かわいくない、かっこいいんだ」


 ぷくぅとふくれる頬にちゅっとお礼の唇を落とす。酔っぱらってる彼はたったそれだけで機嫌を直した。


「そうだね、くりちゃんはぁ、かっこいいよね」
「おれにほれてもいいんだぞ」


 空になった盃に酒を注いでくれながら倶利伽羅が、嬉しいことを言ってくれる。恋に破れた僕に、新たな恋で立ち直ればいいと、慰めてくれているのかもしれない。
 優しい彼が可愛くて可愛くて頬にちゅっちゅっと唇を落とす。注いでくれた酒が盃から零れたけど気にしない。
 倶利伽羅はくすぐったそうにしながらも甘受している。


「ふふ、」
「あー本当にかわいいなぁ。倶利ちゃんを好きになればよかったー」


 酒と同じく零れた言葉は間違いなく本音だ。何故僕はこんなに可愛いくて男前な子を差し置いて、あの人を好きになってしまったのだろう。言葉にした途端、じわりと片方だけの視界が滲んだ。


「倶利ちゃん、だったら、こんな苦しくならない、もんねっ。僕と、倶利ちゃんは二人で、ひとつなんだからっ、ぜんぶ、全部わかるんだもん。どこが好きとか、どこが嫌いとか、」
「・・・・・・だから、みつただは、おれをすきにならないんだろう」


  涙声になった僕に、倶利伽羅が呟いた。その言葉は核心をついていて否定することは出来ない。
  倶利伽羅のことなら全部わかる、と僕は思っている。僕と倶利伽羅は刀派が同じわけでもない。伊達で数年同じだっただけだ。だけど僕は彼のことを、半身だと、片割れだと感じている。こうして二人して身をよせれば、あるかわからない魂がぴたりと当てはまる気がするのだ。
 だけど僕は、だからこそ僕は、あの人に惹かれたのだろう。本来ならば、僕はたぶん倶利伽羅を好きになるはずだったのに。気持ちに確証なんてない。だけど確信はあった。そして倶利伽羅もそう思っていただろう。


「なくな、あんたがなくとおれもいたい」


 裏切り者である僕を責めることもせず、倶利伽羅は涙を拭ってくれる。僕があの人を好きだと言った時、そうか。と一言呟いて。あんたが幸せなら俺はそれで良いと微笑んでくれた、倶利伽羅。
 優しい子、可愛い子、僕の片割れ。ああ、本当に僕は愚かだ。


「くりからぁ~!!!」
「ええ加減にしてくらはります!?」


 もう酒が入っていない盃を机に置いて倶利伽羅に力一杯抱きついた。と、同時に障子が開いて、声が飛んでくる。倶利伽羅の隣部屋の持ち主、明石くんだった。


「なんですのん!?毎晩毎晩酒飲んで、寝付くまで騒いで!ええ加減こっちかて寝不足なるわ!!」


 寝るのが好きな明石くんが、睡眠妨害の原因である僕達に怒りを飛ばす。明石くんは基本的にやる気がない、というかはんなりとしている。声を荒げることなんてない。しかしさすがに、連日寝不足となればその原因に文句も言いたくなるだろう。


「ごめんねぇ、明石くん」
「・・・・・・なんや、泣いてるんか」


 倶利伽羅を抱き締めたまま、明石くんを見れば、僕の涙の跡に気づいた明石くんが気遣わしげに眉を顰める。


「しつれん、だ」


 正直者の倶利伽羅が明石くんに問題提起する前に正解を教える。倶利伽羅の言葉に、明石くんがはぁ?失恋ん?とまったくもって正常な反応を返した。


「失恋て、・・・・・・ここ男しかおらんやん。主も男、やろ?男装の麗人っちゅうんは無理あるしなぁ」
「おとこがおとこにこくはくしてじょうじゅするほうがめずらしい。むしろしつれんするほうがふつうだろう」
「あー、確かに。言われればその通りやなぁ。って、あんさんめっちゃ酔うてますやん」


 明石くんが開けた障子を静かに閉めて、部屋に足を踏み入れる。僕らの周りに転がっている酒瓶を、あーあこないに飲んでぇと呟きながら拾い上げていく。普段は働きたくない、面倒臭いが口癖の彼だけど、さすが来派の保護者。何だかんだと世話を焼いてくれる。


「まぁ男同士言うてもせいぜい肉の器の話やし、取り立てて騒ぐ程のことでもないわな。ほいでぇ?男にフラレた燭台切兄はんは、若いツバメに慰めてもろとるんか?」
「そうだね、大体そんな感じ」


 苦笑いしながら僕らの前に座った明石くんは、拾った酒瓶に残っている酒を手酌で盃に移す。眠れなくて苦情を言いに来たはずなのに、完全に話を聞く体制だ。僕の涙を気にしてのことだろう。優しいなぁ。


「ええご身分ですやん。この際乗り換えたらどうですのん」
「いま、そうくどいてたところだ」
「お、乗り気やね。問題解決、万々歳やんか」
「それが出来たら、いいんだけど、ね」


 腕の中の倶利伽羅に頬擦りをしながら、二人の会話に答える。本当に倶利伽羅を好きになればよかった。だけどあの人にフラレて辛いと嘆きながらも僕はまだあの人が好きなままだ。


「えらいご執心やんなぁ。本丸内でも頼りになるって評判の、皆に愛される燭台切兄はんの心を射止めた言うんやから、まぁよっぽどのお人なんやろうけど」
「はは、愛されるって、大袈裟だよ。僕は誰にも嫌われないようにしてるだけ。・・・・・・まぁ、それであの人には好かれないって言うのが最高に皮肉だよね」


 嫌われないように、とみんなと接してきた僕にあの人が寄越した言葉が「好きじゃない」なんて。いや、よく考えたら当たり前のことなのかもしれない。嫌いじゃない=好きと言うわけではない。嫌いじゃない=好きでもないという式は当たり前のように成り立つのだ。


「なんでかなぁ、何がダメなんだろうなぁ」


 何でも何もダメなものはダメ、で終わった話だ。
 なのに、どうしようも出来ない気持ちがぽつりと、この世に生まれる。本当はこの片恋と共に心中すべきその疑問は、死ぬどころか僕に見せつけるようにぐるぐると舞い踊る。自分の思いながら腹立たしいったらない。


「恋人がいらはるんやない?もしくは好きなお人がおるとか」
「あいつにはそんなのいない」
「ああ、あんさんも知っとるの。ほいなら、なんやろなぁ。単純に好みじゃないとか?」


 盃を煽りながら呟いた、明石くんの何でもなさそうな言葉がぐさりと刺さる。そう、たぶんそれが正解。ただ、単純に、僕のことが好みじゃないのだ。


「絶望だ・・・・・・」


 単純、だからこそ抗えない。好きじゃない、好みじゃないって、きっと嫌われることより関係を改善していくのが難しいと思う。だって、嫌いな部分は直せても、人の好みになるってそうそう出来ることじゃない。それこそ、何処ぞのプレイボーイの好みに育て上げられた幼女じゃあるまいし。
 そうだ、いっそ育て上げられたかった。それが初恋の女の面影を写されて見初められたとしても、お互いの間に子は成せず、別の女との間に生まれた子を我が子のように育てろと言われても。あの人に好きになってもらえるなら、何でもよかった。


「僕、幼女になりたい」
「どないして幼女っちゅう結論が出てきたんかよぉわからんけど。やめとき、やめとき。そんなんで好かれても辛いだけやで。燭台切兄はんはそのままでええねんて。無理に取り繕うてもなぁんも意味あらしまへん」
「そうだ、みつただがむりにかわるひつようなんて、ない」


 このままのみつただがすきだ、と。いつの間にか真正面から抱き締め返していた倶利伽羅が僕の頬にちゅっと唇をよせた。可愛い行動に、現金な僕はそれだけで少し浮上する。


「押してダメなら引いてみる言うんはどうやろ?敢えてそのお人にだけ冷たくしてみる言うんは?」


 倶利伽羅の贈り物も特別気にしない明石くんは僕のために作戦を立ててくれる。
 若いツバメと称したけど、僕と倶利伽羅の関係を自分達来派と同じような関係だと認識しているようだ。そういえば明石くんも、蛍丸くんと愛染くんのほっぺにちゅっとして、二人に嫌がられてたっけ。その時明石くんは寂しそうにしてたけど、彼の見えない所で顔を見合わせた二人がとても嬉しそうに笑っていたのを見たことがある。
 そんな微笑ましい場面を思い出してフッと唇を緩ませた後、明石くんの言葉に答えるため首を振った。


「たぶん気づいてくれないかもね。あの人、他人からの悪意も笑って流せるような人だし。今日は機嫌が悪いんだな、くらいにしか思われないと思うよ」
「きょうみがないことにかんしてはいっっさいしがにもかけないやつだからな」
「あー・・・・・・なんや分かってしもうたわ。あのお人かいな。はー、そりゃまたえらいお人好きになってもうたなぁ」


 別に隠すつもりもなかったけど、名前を出さずにいたあの人に、明石くんは僕らの会話だけで辿り着いたらしい。名探偵明石くんだ。
 そんな明石くんはうーんと首を捻って、また盃を煽る。あかん、これめっちゃうまいやんと頬を緩ませた後またうーんと唸った。


「でも・・・・・・あのお人、たぶん、いけるん違うかなぁ」


 呟いた言葉の意味がわからなくてこちらも首を傾げ返す。
 明石くんの持つ酒が美味しく見えたのか、突然腕の中の倶利伽羅があかし、おれにも。と雛鳥のように口を開けた。倶利ちゃん、もうダメだよ。とほっぺを突っつく。不満げな表情が幼くて可愛らしい。

 

「まあ、心なんて読めるもん違うし、見当違いやったかなぁ」
 

 がじがじと頭を掻く明石くんが独り言を呟く。酔いが回ってきたのだろうか。
 そう言えば、前に二人で酒を交わした時のあの人も、僕が好意をさりげなく隠した言葉を吐くたびに、こうして頭を掻いて何かをぶつぶつ呟いていたことを思い出す。よく考えてみれば、あれは僕の好意に気付いて困っていたのかもしれない。上手く隠していたつもりでも酒を含んでいた僕はいつも以上に隠匿が下手になっていたのだろう、きっと。
 だとすれば先日の告白だってあの人にしてみれば、予想出来うることだったに違いない。迷惑な僕の気持ちと、驚きでも何でもない告白はあの人にとって退屈極まりないものだっただろうに、それを「好きじゃない」で留めてくれたと考えれば、優しい大人の対応だったと思える。そうでなくても、人の気持ちを軽視する人でもないけれど。
 でも出来れば「嫌いだ」と言ってくれれば良かった。そうしたらこうしてぐだぐだと未練がましく思うこともなかっただろう。いや、でも、

 

「・・・・・・どんなに格好悪くても諦めきれないよ。やっぱり好きなものは好きなんだ」
 

 ぽつりと零れた。その呟きは一粒の酒の雫よりも掬えない、救えない。
 だけどこればかりはどうしようも出来なかった。本当は毎晩酒に浸って管を巻くなんて最悪に格好悪い。倶利伽羅にも付き合ってもらって、目も当てられない無様さ。だけどそうでもしなければ乗り越えられない。
 失恋の痛みじゃない。それでも好きで居続ける惨めな自分を乗り越えられないんだ。

 

「ええんやないですか?」
「明石くん」

 

 明石くんが優しく微笑む。蛍丸くんや愛染くんに見せるような優しい、見守るような微笑み。まさかそんな目で見られる日が来るとは思わずちょっとどきっとする。
 

「そういうん、はっきり言える兄はん、結構好きやで?中々言われへんわ」
 

 明石くんが机の上に置いてあった僕の盃に酒を注ぐ。そして透明な酒が揺れるそれを僕に突き出した。いつの間にかすぅすうと寝息を立てて眠っていた倶利伽羅を片腕で抱きながら盃を受け取る。
 そして明石くんは自分の盃も手酌で満たした。おっとっと、と並々と注いでしまった酒を少しこぼしながら盃を僕に掲げて見せる

 

「はい、ほんならかんぱ~い」
「え?え?」
「そこの子、もう付き合えんやろ。なら、今日は自分が付きおうたるわ」
「だって、明石くん寝不足だって」
「夜眠れんなら昼寝ればええ話やん?」

 

 明日は内番免除でお願いします~ああ、ええ口実出来たわ~と上機嫌に笑いながらそのまま盃を煽る。唇から零れる雫を親指で拭う姿がとても様になっていて格好良い。言ってることは全然格好良くないのに。
 あれ?でも、そうか。それでいいのか、と思いついて、僕は自分の中でぼっと火が燃えるのがわかった。

 

「なぁ、兄はん」
「なぁに、明石くん」

 

 明石くんに負けてられないと続けて盃を煽ろうとする僕に明石くんが声をかける。
 

「諦める必要ないからな」
 

 その眼は笑っている。嘲笑っているのではなく、僕を元気つける笑い。
 

「みんなに嫌われんよう、いつも一歩引いてる兄はんがしつこく喰らいついてきたら予想外やろ。驚きのあまり好きになってくれるかもしれへんで?」
「・・・・・・うん!」

 

 ぱちんと寄越されたウインクになんだかやる気が漲ってくる。そうだ、あの人に好かれることを諦める必要なんてないんだ。だって僕はあの人が好きなんだから。
 明石くんは惨めな僕を見て、それでも僕の気持ちを応援してくれる。期待に応えなきゃそっちの方が格好悪いよね。

 

「もう一回、言ってみる!」
「一回なんて生ぬるい、毎日言ったれ!」
「OK!任せてくれ!」

 

 ハイテンションで答える僕の言葉を聞いて明石くんが楽しそうに笑った。腕の中の倶利伽羅は起きる気配はない。毎晩付き合わせていたから倶利伽羅も寝不足だったのかもしれない。彼が起きたら、言ってみよう。あの人を好きなことを諦めない。毎日好きだって言い続けるって。呆れた溜め息の一つ後に、あんたがいいならそうすればいいとちょっとだけ微笑んでくれるはずだ。
 手の中の盃をぐいっと一気に煽った。勢いがありすぎたからか、僕に飲まれることを嫌がった酒がまたもや口の端から零れた。この僕を拒むなんて言い度胸しているじゃないか。逃がさないとばかりにその雫を舐めとった。
 待って、行かないでなんて格好悪すぎる?問題ないね。そうだとしたって、僕なら格好良く決めて見せるさ。



「いわとーし!だいすきですよー」
「おう!俺もだ!」

「一兄!僕、一兄のことだあい好き!」
「僕も!」
「僕もです!」
「ありがとう、私もお前たちが大好きだよ」

 

 毎日繰り返される好きの応酬を、軒下にしゃがみ込み眺める。畑仕事の後だから体力も少なくない上に何より気力がなくて立っているのも辛い。両膝に肘をついて、両手で自分の頬を包み、ため息をそのまますごい長さで吐き出した。
 

「はあああああ、そうだよな。絶対そうだよな」
 

 好きだと慕う相手に向ける笑顔。それを見て、先程まで内番で一緒だった、俺が恋い慕う相手を思い出す。
 最近、毎日欠かさず自分に好きだと言ってくる光忠を。
 片恋の相手に好きと言われて嬉しくないやつはいないだろう。だけど、俺は喜ぶことが出来なかった。

 

「あいつ、絶対俺の事親戚の兄ちゃんだと思ってるだろう。いや、下手すれば爺ちゃんかもしれん」
 

 僕、鶴丸さんが大好きだよ。なんて、伊達男が白い歯をきらりと光らせて、爽やかに笑って言うのだ。キリッとして見せてはいるけれど、何処か子供のような顔は可愛い。俺も大好きだと畑の中で抱きしめたくなるほど可愛いし嬉しい。だけど、なあ。
 

「あんな簡単に、恥ずかしげもなく堂々と言えるなんて、絶対に恋愛的な意味じゃない。期待するな、期待するな俺!」
 

 頬を抑えていた両手を頭に乗せてがしがしと掻き回す。そうすることで、光忠の親愛を恋愛と勘違いしそうになる心を叱咤した。
 そして落ち着いたところで考える。親愛が恋愛に変わることってあるんだろうか。

 うん、無理だな。
 

「絶望だ・・・・・・」


 永遠に親戚のじいちゃん確定。孫を可愛がるポジション。そんなのいらん。鶯丸もそのポジションを譲った覚えはないと笑って切り捨てるだろうけど、じいちゃんの立場は鶯丸に熨斗つけて送りたい。俺は保護者になりたいわけではないのだ。
 保護者か。いや、そうだ、いっそ育てたかったな。
 幼女を自分好みに育てた男の話のように。俺の場合、光忠は既に自分の好みなのでというか光忠が好みなので、自分だけを好きになるように。俺だけに恋するように。

 

「ああ、憧れの光源氏計画」
 

 完全なる現実逃避だ。いくら嘆いても、織田時代にそれを成し得なかった己の落ち度。はあ、とまたため息をつく。最近ため息が止まらない。
 そうしてるうちに遠くでまた、誰かが誰かに好きだという声が聞こえる。それに応える声も。可愛らしい応酬だ。だけど今だけは羨みの心で聞いてしまう。
 ああ、俺だってこの気持ちが単純に親愛であればいいのにと思うさ。光忠の大好きに、俺もだ!と返したいさ。だけど、

 

「俺は、君を『好き』じゃないんだ」


 一番初め、光忠が城内の廊下で「僕、鶴丸さんが大好き!」と言ってきた時。あの時返した言葉を呟いた。そうだ。俺だって光忠が好きだ。
 でも、好きだけど、『好き』じゃないんだ


「だって、『愛してる』んだもんなぁ」
 

 好きという言葉がこの世からなくなれば、光忠は「鶴丸さん、愛してるよ」と言ってくれるだろうか。馬鹿なことを考えてまた一つ溜め息をついた。

 

​貴方は僕を好きじゃないみたい?

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