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すごく短いの詰め込みです

お題だったり、タイトルつける練習したものだったり

現パロ・シチュエーション等深く考えないで書いてるものばかり

(呼称判明前のものも有り)

お題は

140文字で書くお題ったー 様

今日の140字SSのお題は 様

からお借りしてます

貴方は鶴丸さんと光忠で『受け止めてくれるのはあなただけ』をお題にして140文字SSを書いてください。

 

「さあ、どんとこい!」

「いや、どいてよ鶴丸さん。絶対無理」

 猫を腕に抱いて、木の下で両手を広げるその人を見下ろす

「万が一でも君が地面に転がるのを防ぎたいんだ」

 そんな事真剣に言ってくれるのはこの人だけだ。何も言えなくなってその腕へ飛び込んだ。

 結果として猫だけは無事だったと言っておこう

 

 

 

 

 

貴方は鶴燭で『もしも魔法が使えたならば』をお題にして140文字SSを書いてください。

「もしも魔法が使えたならば、」

優しい声が無機質な機械を飛び越えて耳元に伝わる。

「今すぐ空を飛んで行って、君の涙を拭うのになあ」

「くになが、さん」

「だがあいにくと俺は魔法を使えないから、」

だからあと30分待っててくれ。

その言葉に胸の痛みが和らぐ。貴方は十分魔法使いだよ。

貴方は鶴燭で『おさえた首元』をお題にして140文字SSを書いてください。

廊下で通りかかった恋人とその相棒の元。何もしていないのにいきなり恋人にキッと睨まれた。

「ど、どうした」

「よくわかんねぇ。みっちゃん、首、蚊に刺されてるって言ったら全身赤くなっちまった」

狼狽える自分に相棒が耳打ちで教えてくれる。

血を吸う蚊は雌だよねって呟いてる隣の恋人がすごく怖い

貴方は鶴丸と光忠で『自分のモノには名前を書きましょう。』をお題にして140文字SSを書いてください。

「どうしてこんなことしたんだい」

ひくりと歪んだ頬。そこには黒の油性で『つるまるくになが』と書かれている。

「集団生活の中、自分の物には名前を書かないとなくしたり、間違われたりするから」

「するわけないだろう!鶴さんのおっちょこちょい!!」

といいながら右手に持っている油性ペンは何だろう

あなたが鶴燭で書く本日の140字SSのお題は『触るな!』です

「触るな!」

強い声が飛んできて肩が揺れた。拍子に触れていた手がその愛らしい箱を落としてしまう。床に飛び散る様々な物。そのどれも見覚えがあった。一番目を惹いたのは先程戯れに渡したただのリボン。

「これ…」

「っ~!だから触るなってあー!もう!」

箱を開いたのは君だからな!と抱きしめられた

貴方は鶴燭で『逃げるものは追うしかない』をお題にして140文字SSを書いてください。

「え、ちょ、鶴さん!」

駆けだした白を思わず追いかける。

「ついてくるな光坊!」

「だって鶴さん顔が赤い」

「だからついて来るなって言ってるんだよ!」

「…わかった。ならもういい!」

「え、ちょ、光坊!」

「ついて来ないで鶴さん!」

「だって君声が辛そうで」

「だからついて来るなって言ってるの!」

鶴燭へのお題は『なんでここにいるの馬鹿』です

(お題ひねり出してみた 様)

 何時まで待っても来ない鶴丸を探して光忠は人気のない路地裏へ辿りつく。

 そこには、血の海に伏せっている光忠の義父と傍らに立っている鶴丸の姿があった。鶴丸の白いパーカーにはどす黒い汚れが沢山ついていた。

「つ、つるさん・・・」

 震える足で近寄り、呼んだ名前は同じく震えていた。

 呼ばれた名前の持ち主は特段驚くこともなくゆっくりと幼子を振り返る。

「なんでここにいるんだ、馬鹿。家で待ってろって言っただろう」

「だって、」

「こんな場面見せたくなかった。巻き込みたくなかったのに」

 鶴丸の困った笑いを含んだ嘆息に光忠は首を振る。鶴丸を巻き込んだのは光忠の方だ。義父に暴力を振るわれていた光忠を鶴丸は見つけて、救おうとして、そして殺してしまった。

 義父にタバコの火を押し付けられ醜いやけどが残ってしまった隠れた右目ではなく、唯一露わになった左目からぽろりと零れた。それを腕でごしごしとこする。

 そしておもむろに自分が来ていた上着を脱いだ。

「光坊?」

 突然の行動に鶴丸は不思議そうな顔をする。その顔にもやはり返り血だろうどす黒い汚れがこびりついていた。悲しくなる。

 何より、今まで一度も義父に嫌悪感など抱いたことはなかったのに、鶴丸を汚された気持ちになった。ここで初めて、光忠は義父が死んだことに何の感情もわいていなかったことに気付いたがそれはもうどうでもいいことだ。

 脱いだ上着を両手に持って、血で汚されてしまった鶴丸に近づく。

「光坊、来ちゃだめだ。俺、汚れて、わぷっ?」

 小さい上着をどうにかこうにか鶴丸に被せる。袖は通らず、鶴丸は窮屈な姿だ。光忠より大分大きいその体を服の上からぎゅっと抱きしめた。

「にげよう、つるさん」

「光坊」

「ぼくといっしょににげて」

 足元の血だまりからは腐ったような臭いがする。光忠の気のせいであることは分かっている。だけどこの臭いはきっと鶴丸を腐らせていく。だから逃げなければ。この臭いが届かない所まで。

「ぼくをひとりにしないで」

 卑怯な言葉を吐く光忠に鶴丸は微笑んだ。

「もう平気なの?傷は?」

手入部屋から出た所で恋刀が心配げな顔で近寄ってくる

「平気だぜ。もうなんとも」

「そう、良かった…。どの辺が一番酷かったの?」

「ん?ああ、ここら辺だ、痛っでぇ!?」

「大袈裟だよ。もう痛くないんでしょ?気合い、入れといたから」

いや、グーパンはあんまりじゃないか?

(複雑な感情とストレートな拳)

閉じ込められて何時間程経ったのだろうか。

冬の体育館は下手すれば太陽が出ている外よりも寒く、それは倉庫の中も同じ。カタカタと震える隣の身体も当然だ。

お互い長袖長ズボンのジャージを着ていると言っても吐く息も白く霧散するここではあまり慰めにはならない。

そう、とにかく身体を温めなければ、

(冷たいコンクリートと跳び箱と運動マットの中の誘惑)

壮絶。

その言葉も転がる部屋に大喧嘩を終えた二人が座り込んでいる

「あーあ、夫婦茶碗も割れてる…」

「まさか君が茶碗投げてくるとは思わなかったぞ」

「先に椅子蹴り倒したのそっちだからね」

「ははっ格好悪いな、俺達」

「本当だよ」

糊でくっつくかなぁ、これ。

心配気なその一言に実はかなり安心してる

​(夫婦茶碗の欠けた跡)

「ならこうしようじゃないか」
 薄い笑みを浮かべた男がテーブルの向こうで、右手を見せる。親指と人差し指に挟まれているのは一枚のコイン。
「よくある賭けさ。こいつを弾いて表が出たなら君の勝ち。俺はもう二度と君の前には現れない」
 だが、と男は愉快そうに続ける。
「もしも裏が出たなら、今日から君は俺のもの。どうだい?」
「拒否権はないんだろう?聞く必要はないよ」
「そんなことしなくても僕は貴方のものだよって言うと思ったのさ」
「馬鹿なことを」
 何が悲しくて、自らそんな世迷言を言わねばならないのか。
 吐き捨てる自分に、男は愉快さを増し、喉を鳴らす。目を細めて、こちらを見る表情は機嫌の良い高級な猫のようだ。
「いやぁ、楽しいなぁ。こんなに楽しい気持ちは初めてだ」
「人の人生を弄ぶのがそんなに楽しいのかい」
 勝っても負けてもこの男に損はない。
 強いて言うなら気に入りの玩具を乗り換える必要が出てくるかもしれない。男にとってはその程度の賭けでしかない。
「コイントスは君に任せよう」
 男は問いには答えずテーブルの向こうからコインを差し出す。それを受け取るために手を伸ばした。
 掌に落とされるコイン。伸ばした手を引く前に、コインを落とした男の手が、ぎゅっとコインを強制的に握りしめさせる様に触れてきた。
「俺が楽しいのは、この予断を許さない状況がさ」
 握られた手を引かせない男の強さとはちぐはぐな、ゆるりとした口調が先の問いにようやく答える。
「リスクがでかければでかいほど、失くすものが大切であればあるほど、先の見えない状況は楽しい。だから、俺は今までの人生の中で、今この瞬間が一番楽しい」
「イかれてる」
 その性質が、そしてそんなにも玩具一つに執着することも。
 男は簡潔な評価に気分を害することもなく、やはり楽しげに頷いた。
「そうさ、俺はイかれてる」
 同意を得られても何も嬉しくない。自覚しているなら、このまま解放してくれ。そうして精神科にでも入院してくればいい。そう思い、実際そう口にしようとした。
 しかし強く掴んできていた男の力が弱まる。優しく、握った拳を撫でられた。
「もし、君を俺のものに出来たなら、俺は変われるのかな」
 ポツリと落ちた言葉は、どこか諦めている様にも聞こえた。
 その諦めに、絶対この男のものになどなるものかと、先の見えないコインに意志を込めるかの如く強く手を握りしめた。

 

(裏の未来は見えない今 /お題の言葉:予断を許さない)

「どうした?光坊」
「え?」
 妙なものを見る面持ちで鶴さんが首を傾げている。ぱちりと一回の瞬きにつられて僕も瞬きをひとつする。勿論それで何かが変わるわけではないので鶴さんの表情も変わらない。
「いや、どうしたのかと思ってな?」
「何がだい?」
 鶴さんの言わんとしている事がわからない。
 鶴さんがとうとう困惑した視線で僕を見る。僕はそれにまたつられて同じ様に鶴さんを見てしまう。
 二人の間に流れる不可思議な空気。一体全体なんだというのだろう。
「えっと、俺、ただ一期に部隊連絡しに行って、主に報告して、三日月に本を返しに行って、乱と万屋行ってくるだけだぜ?」
「うん。だからいってらっしゃいって言ったよね?」
「う、うーん。そうなんだが、な?」
 鶴さんはなんと言うべきか迷っている様だった。珍しい。言いにくいこともオブラートに上手く包めるくらいの話術を持っている人だ。そもそも僕相手に言いよどむことも何もないだろうに。
「すぐ帰ってくるから」
「分ってるよ?」
「俺が心を捧げてるのは君だけだぜ?」
「ありがとう、僕も貴方が好きだよ。って何だい急に。照れちゃうよ」
「不安にさせているのかと思って、」
「さっきから何の話?はっきり言ってくれた方が嬉しいよ?」
 もどかしさやじれったさが必ずしも悪いわけじゃないけど、用事があるなら早くした方が良いと思う。
 僕がそう言うと鶴さんは左手で自分の後頭部をかしかし軽く掻いた。やはり言い辛そうに、いや、これはどこか、照れている?
「光坊、ちょいと視線を下げてみようか」
「ん?」
「もうちょい下だ、下」
 鶴さんの顔から顎と首元を見ると更に下だと指示が来る。従って下げる、目的のものは分からないけど鶴さんが見ろというのだからきっと一目見て分かるものなのだろう。だから何かが見つかるまで視線を下げ続けた。
「!」
 すると驚くものが目に入る。
 僕の右手が、鶴さんの袖をぎゅうっと握っている。
「行って、きてもいいかい?」
 動きを止め、視線もそれに止めるしかない僕を、鶴さんが下から覗き込んでくる。やはり言い辛そうで、でもかなり照れていて、そして明らかに嬉しそうだ。表情も声も見事に色んな感情が混じっているのに一致している。
「・・・はい」
 嫌だ。僕の心と身体直結し過ぎだよ。思考を仲間はずれしないで。
 一刻も早く、鶴さんに対する好きの方向性を三属性で話し合うべく、僕は握った袖から素早く手を引いた。

(心身結託ムーブ/お題の単語:心身)

「こういう風に雨は降るんだね」

 万屋からの帰り道、絹雨が渇いた地面を濡らす。天の光は眩しく雨粒を反射して、見上げているその横顔を煌めかせていた。天気雨、狐の嫁入りとも言うらしい。そう教えようと思ったのに

「俺も、知らなかった」

こんなにも美しく雨は降るのだと、君の微笑みを見るまでは

 

(雨はこういうふうに降るのね)

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